戸車の高さを何度も調整し、外れ止めも完璧な位置に設定した。隙間テープも貼ってみた。それでも、どうしても網戸の左側の隙間が埋まらない…。あらゆる対策を講じても問題が解決しない場合、それはもはや部品の調整で対応できるレベルを超え、網戸の「フレーム本体」が寿命を迎えているサインかもしれません。こうなった時、最後の手段として考えなければならないのが、「網戸本体の丸ごと交換」です。網戸のフレームは、主にアルミ製ですが、長年の使用による開閉の繰り返しや、強い風雨、紫外線にさらされることで、私たちの目には見えないレベルで、少しずつ歪んだり、変形したりしていきます。特に、網を張り替える際に、強く引っ張りすぎたことが原因で、フレームが菱形に歪んでしまうことも少なくありません。一度、フレーム自体が歪んでしまうと、それはもはや戸車の高さ調整などで補正できる範囲を超えています。無理に調整しようとしても、どこかを合わせれば、また別のどこかに隙間ができてしまうという、いたちごっこに陥ってしまいます。では、どのような状態になったら、本体の交換を考えるべきなのでしょうか。その判断基準は、「全ての調整を試みても、隙間が残る」「網戸の開閉が極端に重い、またはガタつきがひどい」「フレーム自体に、目に見える凹みや曲がりがある」といった点です。これらの症状が見られる場合は、残念ながらその網戸の寿命と考え、新しいものへの交換を検討するのが最も賢明な選択です。網戸本体の交換は、DIYでも可能ですが、ミリ単位での正確な採寸が必要となるため、自信がない場合は専門の業者に依頼するのが安心です。費用はかかりますが、隙間やガタつきの悩みから完全に解放され、スムーズで気密性の高い、新品の網戸がもたらしてくれる快適さは、何物にも代えがたいものがあります。調整はあくまで対症療法。時には、根本的な原因を取り除くための「交換」という決断も必要になるのです。
何をしても隙間が直らない…網戸本体の交換を考えるべき時