賃貸アパートやマンションに住んでいて、網戸が破れてしまったり、そもそも網戸が設置されていなかったりした場合、「自分で取り替えても良いのだろうか」と悩む方は少なくありません。賃貸物件での網戸の取り替えには、持ち家とは異なる特有のルールと注意点があり、それを知らずに行動すると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。まず、何よりも先にすべきことは、大家さんや管理会社に連絡し、状況を報告・相談することです。賃貸物件における設備は、全て大家さんの所有物です。そのため、入居者の判断で勝手に修理や交換を行うことは、原則として認められていません。たとえ良かれと思って行ったことであっても、契約違反とみなされる可能性があります。網戸が破れた場合、それが経年劣化によるものなのか、それとも入居者の過失によるものなのかによって、修理費用の負担者が変わってきます。一般的に、通常の使用による劣化であれば大家さん負担、子供が破いてしまったなど入居者の不注意が原因であれば入居者負担となるケースが多いです。いずれにせよ、まずは管理会社に連絡し、指示を仰ぐのが正しい手順です。元々網戸が設置されていない部屋に、自分で新しく取り付けたい場合も同様に、必ず事前に許可を得る必要があります。建物の外観の統一性を保つため、あるいはサッシを傷つける工事を避けるため、網戸の設置が禁止されている物件も存在します。許可が得られた場合でも、退去時の「原状回復義務」を忘れてはいけません。サッシに穴を開けるような取り付け方は避け、退去時に簡単に取り外せるタイプの製品を選ぶのが賢明です。賃貸物件における網戸の取り替えで最も重要なのは、「自己判断で行動しない」ということです。何か問題が発生したら、まずは大家さんや管理会社に「報告・連絡・相談」する。この基本的なルールを守ることが、無用なトラブルを避け、円満な賃貸ライフを送るための鍵となります。