長年使ってきた我が家の網戸が、ある日とうとう無残に破れているのを発見した。犯人はおそらく、日頃から爪とぎにいそしんでいる愛猫だろう。業者に頼むことも考えたが、ふと「これ、自分でできるんじゃないか」という思いが頭をよぎった。これが、私のDIY網戸張り替え奮闘記の始まりである。早速ホームセンターへ向かい、新しい網、網押さえゴム、そして専用のローラーとカッターがセットになった初心者向けキットを購入した。選んだ網は、もちろんペットの引っ掻きにも強いという、少し割高な強化タイプだ。家に帰り、意気揚々と作業を開始。まずは古い網を固定しているゴムを、マイナスドライバーを使って慎重に引き抜いていく。経年劣化で硬化したゴムは思いのほか頑固で、この時点で早くも少し心が折れそうになった。なんとか古い網とゴムを撤去し、フレームをきれいに掃除した後、いよいよ新しい網を張る工程だ。説明書には「網を少し大きめにカットし、クリップで仮止めする」とある。その通りに進め、ローラーを使ってゴムを溝に押し込んでいくのだが、これが想像以上に難しい。片側を押し込むと反対側がたるみ、たるみを直そうとすると別の場所が歪む。ピンと張った美しい仕上がりを夢見ていたのに、現実は波打った不格好な網との格闘だった。何度もゴムを外してはやり直し、汗だくになりながら奮闘すること約一時間。ようやく、自分なりに納得のいく張り具合でゴムを一周はめ込むことができた。最後に、フレームの外側にはみ出た余分な網をカッターで切り取る。この瞬間は、まるで彫刻家が作品を仕上げるような、緊張と快感が入り混じった不思議な感覚だった。そしてついに、新品同様に生まれ変わった網戸が完成。多少の歪みはご愛嬌だが、自分の手でやり遂げたという達成感は格別だった。費用も業者に頼むよりずっと安く抑えられたし、何より網戸に対する愛着が湧いた。この経験を通じて、DIYの楽しさと難しさの両方を味わうことができた。次にどこかが壊れた時も、まずは自分で挑戦してみよう。そんな自信を与えてくれた、貴重な体験となった。
私の汗と涙の網戸張り替え奮闘記