壁紙を自分で張り替える際、デザインと同様に重要なのが素材の知識です。素材によって施工のしやすさや、剥がすときの手間、そして仕上がりの質感が大きく異なるからです。現在、賃貸のセルフリフォームで主流となっているのはビニール壁紙とフリース壁紙の2種類です。ビニール壁紙は最も一般的で、安価でありながら耐久性が高いのが特徴です。表面にフィルム加工が施されているものは汚れが落ちやすく、キッチンなどの水回りにも適しています。しかし、ビニールは湿気を通しにくいため、通気性の悪い壁に貼るとカビの原因になることがあります。一方、最近注目されているフリース壁紙は、不織布をベースとした素材で、非常に丈夫で破れにくいという特性を持っています。最大のメリットは、糊を壁側に塗ってから貼り付ける「向こう糊」ができる点です。これにより、壁紙に糊を含ませて重くなるのを防ぎ、1人でも高い位置の作業が楽に行えます。また、フリース壁紙は剥がす際に裏紙が残りにくく、賃貸物件での原状回復には極めて有利な素材と言えます。さらに、壁紙の裏面に糊が付いているタイプと、自分で糊を塗るタイプ、シールのようになっているタイプの3つの形式についても理解が必要です。シールタイプは最も手軽ですが、接着剤の成分によっては剥がすときに壁紙の表面を傷めてしまうことがあるため、剥離性の高い高品質なものを選ぶべきです。糊を塗るタイプは手間がかかりますが、位置の微調整がしやすく、大判の壁紙を貼る場合には最も美しく仕上がります。また、輸入壁紙に多い53センチ幅というサイズは、日本で一般的な90センチ幅よりも扱いやすく、女性の手でも持ちやすいため、自分で張り替える場合には検討の価値があります。素材の特性を知ることは、失敗を防ぐための防御策であると同時に、自分の理想とする質感を確実に手に入れるための近道でもあります。壁の材質や部屋の湿度、そして自分の作業スキルに合わせて最適な素材を選ぶことで、10年後も美しい壁を保つことが可能になります。
賃貸の壁紙を自分で張り替える際に知るべき素材の知識