再建築不可物件を長期にわたって維持するためには表面的な内装の張り替えだけでなく構造体から見直すスケルトンリフォームが推奨されます。スケルトンリフォームとは建物の屋根と柱と梁のみを残して壁や床をすべて解体し建物を骨組みだけの状態にしてから作り直す手法です。この方法の最大のメリットは普段は見ることができない土台の腐食やシロアリによる被害を完璧に把握し根元から修復できる点にあります。特に築年数が経過した再建築不可物件では基礎がコンクリートではなく石の上に柱が乗っているだけの石場建てであることも多くリフォームの過程で鉄筋コンクリートのベタ基礎を既存の建物の下に打ち込むといった高度な技術が必要になることもあります。柱の補強においては傷んだ部分を切り取って新しい木材を繋ぐ接木や既存の柱に並べて新しい柱を立てる添え柱という技法が用いられます。また構造用合板を壁面に貼り付けることで建物全体の剛性を高め地震の揺れに対して粘り強く耐える構造へと進化させます。屋根についても重い日本瓦を撤去し軽量な金属屋根に交換することで建物の上部を軽くし倒壊のリスクを劇的に軽減させます。このような大規模な改修を行う際でも増築を伴わず床面積を変えないのであれば建築基準法上の建築には当たらないため再建築不可の制約下でも施工が可能です。断熱性能の向上についてもスケルトン状態であれば壁の内部に隙間なく高性能な断熱材を充填できサッシもすべてペアガラスのアルミ樹脂複合サッシに交換できるため省エネ性能を格段に向上させることができます。手間と費用はかかりますがスケルトンリフォームを施された再建築不可物件は見た目こそ古い趣を残しつつ中身は最新の住宅性能を備えた理想的な住まいへと生まれ変わるのです。1度骨組みにまで戻すことで配管や配線の自由度も上がり最新のホームネットワークの構築や床暖房の設置も容易になります。再建築不可というハンデを感じさせないほど強く快適な家に生まれ変わるプロセスは住まい手にとっても大きな安心感に繋がります。
構造から蘇る再建築不可のスケルトンリフォーム