賃貸物件の壁紙が汚れていたり、気分転換に部屋の雰囲気を変えたいと考えたとき、「自分でクロスを張り替えられたら」と思う方は少なくないでしょう。しかし、賃貸物件でのDIYは、原状回復義務という大きな壁にぶつかるため、安易に手を出すのは危険です。賃貸借契約では、退去時に借りた時と同じ状態に戻す「原状回復」が原則とされており、クロスの張替えもこの対象となります。しかし、だからといって全てのDIYが許されないわけではありません。物件によっては、大家さんや管理会社の許可を得ることで、クロスの張替えが認められるケースもありますし、最近では「DIY可」を謳う賃貸物件も増えてきています。自分でクロスを張り替える最大のメリットは、何と言っても費用を抑えられる点です。業者に依頼すると材料費に加えて高額な工賃が発生しますが、自分でやれば材料費だけで済みます。また、自分の好きなデザインのクロスを選べる自由度も魅力です。ただし、DIYにはデメリットも存在します。まず、技術的な難しさです。きれいに張り替えるにはそれなりの技術が必要で、失敗するとかえって見栄えが悪くなったり、退去時に補修費用を請求されたりする可能性があります。また、作業時間や手間も相当なものになります。特に初めての場合は、予想以上に時間がかかることを覚悟しなければなりません。賃貸物件でクロス張替えを検討する際は、まず契約書の内容をしっかり確認し、大家さんや管理会社に相談することが第一歩です。許可なく張り替えてしまうと、高額な原状回復費用を請求されるリスクがあるため、くれぐれも注意が必要です。自分でやるか業者に頼むか、費用と手間、リスクを比較検討し、賢い選択をしましょう。