網戸をしっかりと閉めているはずなのに、なぜか室内へ小さな虫が入り込んでしまうという悩みは、多くの家庭で共通して経験することです。その原因の多くは、網戸と窓のサッシの間に生じているわずかな隙間にあります。網戸のフレームの縦框には、モヘアと呼ばれるブラシ状の毛が取り付けられています。このモヘアの役割は、網戸を閉めた際に窓ガラスやサッシとの密着性を高め、物理的な障壁を作ることによって虫の侵入を防ぐことにあります。しかし、モヘアは消耗品であり、長年の使用による摩擦や紫外線による劣化で、次第に毛が抜け落ちたり、短くなったりしてしまいます。1ミリから2ミリ程度のわずかな隙間であっても、蚊やコバエ、さらにはクモなどの害虫にとっては十分な通り道となります。もし網戸の横から外の光が漏れて見えるようなら、それはモヘアが寿命を迎えているサインです。モヘアの交換は自分でも簡単に行うことができます。まずは現在使用されているモヘアのベース部分の幅と、毛の長さを正確に測ることが重要です。一般的なベース幅は3.5ミリや4.5ミリ、6ミリといった規格があり、これが合わないとサッシの溝に装着することができません。毛の長さについても、短すぎれば隙間が埋まらず、長すぎれば網戸の開閉が重くなってしまいます。ホームセンターなどでは1メートル単位で切り売りされていることが多いため、必要な長さをあらかじめ計算して購入しましょう。実際の交換手順としては、まず網戸をレールから外して平らな場所に置きます。古いモヘアの端をペンチなどで掴んで引き抜きますが、長年の汚れで固着している場合はマイナスドライバーなどを使って溝を掃除しながら進めるとスムーズです。新しいモヘアを溝に沿ってスライドさせるように差し込んでいきます。最近では裏面に粘着テープが付いた後付けタイプのモヘアも販売されており、溝がないタイプの網戸や、より密閉性を高めたい場所に追加で貼ることも可能です。最後にはみ出した余分なモヘアをハサミでカットすれば完了です。このわずかな手間で、網戸の防虫性能は新品同様に復活します。定期的にモヘアの状態をチェックし、5年から10年を目安に交換を行うことが、家の中に不快な侵入者を入れず快適な夏を過ごすための最も基本的なメンテナンスと言えるでしょう。素材にはポリプロピレンなどが使われており、撥水性や耐久性が考慮されていますが、やはり環境によって劣化の速度は変わるため、1年に1度の点検を習慣にすることが望ましいです。
網戸と窓のサッシの隙間を埋めるモヘア交換の重要性