一見すると資産価値が低いと見なされがちな再建築不可物件ですがリフォームによってその評価は大きく変わります。リフォームにかかる費用については一般的な戸建てリフォームと比較して10パーセントから25パーセント程度割高になる傾向があります。その最大の理由は物流コストの増大です。再建築不可物件の多くは道路幅が狭いため軽トラックすら進入できず資材の小分け搬送や手積み手運びが必要になるからです。これを賢く抑えるためには材料選びに工夫が必要です。例えば大きな1枚板の建材ではなく現場で分割して運び込みやすいサイズの材料を選んだり解体で出た廃材の一部を補強材として再利用したりすることで運搬の手間を減らすことができます。また水道やガスの引き込み管が細い場合にはそれらを太くするための掘削工事に近隣住民の同意が必要になるなど金銭以外の調整コストが発生することも珍しくありません。しかしこうしたハードルを乗り越えてリフォームされた物件は周辺の新築相場よりも安価に仕上がるため非常に魅力的な選択肢となります。居住用として考える場合も将来的に土地を売ることは難しくても建物が健全であれば住み続ける権利は保証されています。最近では接道義務を解消するために隣地の土地を一部買い取ったり借りたりして再建築を可能にするという出口戦略も見直されていますがそれが叶わない場合でも高品質なリフォームを施すことで中古住宅市場での需要を喚起することができます。費用を抑える第2のポイントは設備のグレードにメリハリをつけることです。見えない部分の構造補強や断熱にはしっかりとお金をかけ目に見えるキッチンや洗面台はスタンダードなモデルを選ぶことで総額をコントロールします。またDIYで壁紙を張り替えたり床のクッションフロアを敷いたりすることも数10万円単位の節約に繋がります。再建築不可物件はリフォームという魔法によって負の動産から富の動産へと生まれ変わる可能性を秘めた素材なのです。