念願のマイホームに入居して2年が経過した頃、リビングの吹き抜け付近の壁に、細長いひび割れができているのを見つけました。最初は家が欠陥品なのではないかと大きなショックを受けましたが、調べてみると木造住宅が環境に馴染む過程で起こる、ごく一般的な現象であることを知りました。とはいえ、一度気になり始めると視線がそこばかりに向いてしまい、リラックスできるはずのリビングで落ち着かない日々を過ごしていました。業者に見積もりを依頼することも考えましたが、出張費だけで数千円から1万円近くかかると聞き、それならば自分でやってみようと決意しました。ホームセンターのDIYコーナーへ向かうと、壁紙補修専用の便利なキットが1000円以下で売られており、初心者の私でも挑戦しやすい環境が整っていました。私が選んだのは、壁紙の隙間を埋めるための補修剤と、仕上げ用のヘラがセットになったものです。自宅に戻り、いざ作業を開始すると、緊張で最初は手が震えましたが、チューブから出てくるクリーム状の剤がひびをスルスルと埋めていく様子は、まるで魔法を見ているようでした。壁紙の凹凸模様に合わせて指でトントンと叩くように馴染ませると、どこにひびがあったのか自分でも見失うほど完璧に隠れていきました。特に効果を実感したのは、部屋の隅のコーキングが切れて黒い線のように見えていた部分です。ここを白く塗り直すだけで、部屋全体の明るさが一段階上がったような錯覚さえ覚えました。作業時間は準備を含めても30分足らずで、かかった費用は補修剤の数百円のみです。何よりも、自分自身の力で家を綺麗に維持できたという達成感が、家に住む喜びを再認識させてくれました。プロの技には及ばないかもしれませんが、自分の家を自分で手入れすることの愛着は、何物にも代えがたいものです。今では小さなひびを見つけるのが楽しみの一つになり、補修道具は救急箱のようにいつでも取り出せる場所に常備しています。家の変化を恐れるのではなく、共に育っていくプロセスとして楽しむ心の余裕が持てるようになりました。
新築の壁にひび割れを見つけた私の補修体験記