フローリングの全面張替えを計画する際、多くの人が材料費と工賃だけで予算を組んでしまいがちですが、実際にはそれ以外にも細かな追加費用が積み重なります。これを事前に把握していないと、最終的な支払額を見て驚くことになります。まず注意すべきは「見切り材」や「幅木」の交換費用です。床を新しくすると、壁と床の境目にある幅木が古臭く見えたり、新しい床の厚みと合わなくなったりするため、同時に交換するのが一般的です。これには材料代と工賃で、部屋あたり1万円から2万円程度の追加がかかります。次に、ドアの下端のカット費用です。古い床を剥がして新しいものを貼る際、わずかな厚みの違いによってドアが床に擦れて開かなくなることがあります。この場合、建具を調整したり削ったりする作業が必要になり、1箇所につき数千円の技術料が発生します。さらに、一軒家で2階以上の床を張り替える場合には「荷揚げ費」という名目の費用が計上されることがあります。重いフローリング材を人力で階段を使って運び込む際の手間賃です。また、意外と高額なのが「家具移動費」です。ピアノやマッサージチェア、大型の書棚など、大人2名でなければ動かせない家具がある場合、1点につき5000円から1万円程度の移動費がかかります。もし自分で動かせるのであれば、事前に他の部屋へ移動させておくことで、この費用を浮かせることができます。そして、最も予測困難なのが「下地補修費」です。全面張替えは床を剥き出しにするため、隠れていた不具合が必ず露呈します。湿気による腐食や、過去の雨漏りの跡などが見つかれば、そこを直さない限り新しい床を貼ることはできません。こうした予期せぬ事態に備え、見積もり額の15パーセント程度は予備資金として手元に残しておくのが、ストレスのないリフォームを実現するための鉄則です。細部への目配りが、結果として全体の予算コントロールを成功させる鍵となります。